今回は私が模型用塗装ブースを作るにあたり様々な考察や他の方からのお知恵を拝借しましたので
ここに遍歴としてまとめておく事にします。
今後自作塗装ブースを作成される方の参考になれば幸いです。
また塗装ブースに関してわからないことなどに「塗装ブース総合スレッド24」の方々の
丁寧な解説、ご意見などが非常に役に立ちました。
この場を借りて厚く御礼申し上げます。
まず塗装ブースを購入する際、既製品を買うか自作するか迷うと思います。
そこで長所・短所をまとめてみました。
既製品の場合
・利点
購入してすぐ使える。
設計や商品精度が高い。
性能がはっきりしている。
・欠点
自分が思っている能力・サイズ・価格に対して合致する製品が少ない。
(塗装ブース自体種類が少ない)
自作の場合
・利点
自分が思っている能力・サイズ・価格に対して自由に選択する事ができる。
・欠点
設計、作成が必要で能力が未知数。
私の場合残念ながら既製品はサイズ・金額であきらめましたが
サイズ・金額が合うなら既製品の購入をお勧めします。
代表的な塗装ブース
メーカ | 製品 | 風量 | 騒音値 | 参考価格※ |
---|---|---|---|---|
タミヤ | ペインティングブースⅡ(ツインファン) | 126m³/h | 63.0dB | \18,700 |
Mr.Hobby | Mr.スーパーブース | 115m³/h | 57.0dB | \19,800 |
エアテックス | ブラックホール(廃版) | 220m³/h | 56.0dB | \18,150 |
ハリケーン | 210m³/h | 52.0dB | \41,800 | |
レッドサイクロン | 240m³/h | 60.0dB | \17,940 | |
ガットワークス | ネロブース | 400m³/h | 43.0dB | \52,250 |
互換屋 | 互換ブース(スタンダード) | 442m³/h | 64.0dB | \26,400 |
互換ブース(スリム) | 442m³/h | 64.0dB | \26,400 | |
HobbySpace36 | 36ブースPro | 198m³/h | -dB | \28,600 |
次に自作の場合どんな点に注意すればよいのかピックアップしてみます。
自作塗装ブースの選考基準
1. 設置場所を決める。
まず設置場所が決まらないとブースに必要な大きさがわかりません。
置く場所範囲も必要ですが、どんな模型を塗装するかでもサイズが変わります。
幅・高さ | 用途 |
---|---|
50cm x 50cm | 艦船模型や車などの大きなサイズの場合 |
40cm x 40cm | ガンプラなどの場合 |
30cm x 30cm | 収納などでコンパクトに収めたい場合 |
2. 排気口の位置を確認する。
ブースの排気口から屋外に排気する場所を確認する必要があります。
そうしたらどの様にダクトを通すのか決めダクトの必要な長さを測ります。
また何回折り曲げるのか数えておきます。
例:45度1回、90度3回、180度1回
(これは後の排気装置選定で必要になってきます。)
3. 排気ダクトのサイズを考える。
現在販売されている国内向け換気扇はφ100mm、φ150mmが主流です。
また換気効率が高い製品ほどφ150mmとなりますが、結構邪魔になります。
ただ静音や能力が高いのはφ150mmとなりますのでこちらがオススメです。
排気ダクトに関しては、この様なアルミダクトをホームセンターなどで購入できるかと思います。
ワイヤアルミダクト悟空
4. 予算を考える。
現在既製品の価格帯は\18,000~\53,000といった所でしょうか?
正直予算が\20,000以上あるなら既製品を購入して、どう設置するかを考えたほうが良いです。
自作の場合確かに\10,000以下で済ます事もできます。
ただ性能リスクが必ずある事は、心に止めておいてください。
(一度作ったが不満があり再度作り直すと結局購入したほうが安い場合もある。)
5. 安全性を考える。
自作は確かにメリットも大きいです。ただ安全性は既製品のほうが断然高いはずです。
排気装置に換気扇を使う場合、基本「第二種電気工事士の資格を持つ技術者が施工しなければならない」
PCファンなどは目的外利用になります。(通常の室内の空気を吸い込む用途以外の使用方法を想定していない)
その為最悪火事になる可能性もあるという事は考えておいて下さい。
(自作されている方でエアゾール式簡易消火具を用意されている方もいます。賢い選択だと思います。)
以上が決まった所で
本編を読むと本当に長いです。(遍歴・考察の為)
ここから先の趣旨は
・安価でコンパクトな高性能ブースの作成。
・現在の排気装置に対する評価は「良い・悪い」の2パターンでしかない。
これを例えるならネロブースを50点の合格ラインとした時、選んだ排気装置は何点になるのか
もう少し具体的かつ簡単に判るようにする。
となっています。
「やはり自作で塗装ブースを作りたい」「本編も読みたい」と思った方は
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